結婚のススメ

Share

脚本家・北川悦吏子さんによる恋愛のススメではなく、結婚のススメ。結婚こそが心のセーフティーネットだそうです。

結婚のススメ

今日は、ちょっと私、アラフォーのみなさんに、結婚を勧めてみようと思います。
たいていの女性誌など読むと
結婚するも結婚しないも、その人次第、
その人が幸せであれば、それでいい。
他人の目は気にしない。
ということが書いてありまして
その人(書き手)の立ち位置は、いつも中立。
結婚しろ、とも結婚するな、とも言ってないことが多い。

ぬるい。
アドバイスとしてぬるいのでは。

ということで、私、炎上(?しないか)を覚悟で
「結婚は、した方がいいじゃないか」
ということを、今日は、しゃべってみたいと思います。

ん?しゃべる?
講演会なのか。
ま、いいや。そこんとこは。

ワタクシ事ですが、ここ最近の私は、けっこう落ち込んでいました。
なぜなら、懇意にしていたヘアメイクさんが亡くなったからです。
私が女性誌に出始めた、35歳〜40歳過ぎくらいまで
ずっと私をきれいにしてくださっていた方でした。
今は、別の方に担当していただいてますが、
最初、ずーっとその方だった。

これはね。けっこうクルわけです。
ヘアメイクさんって、
顔触りますからね。
たぶん、35歳から40歳まで一番、私の顔を触ったのはその人だと思うし
(のべつまくなし、一緒にいて、さわりさわられのラブラブの彼氏がいる20代の頃だったら違ったかもしれないけど)
あと、その方は、蒼井優ちゃんとか、宮崎あおいちゃんとか、綾瀬はるかちゃんとか
モデルさんであるとか、まあそうそうたる、美人さんばっかり担当していましたが、
私をメイクする時は、やはりそれは、私に集中したと思うんですよ。
いかにして、この、文化人枠のさほど整っていない顔をキレイにするか、と
彼は、一時間半くらい格闘したと思うんですよ(ヘアメイクってトータル一時間半くらいです)。
私の顔をキレイにする、真剣勝負をしていてくれたわけです。
そんな人、いますか?
いませんよね。

だから、私は、彼のお葬式に出たあとも、泣き暮らしていたのですが、
ふと。
ハタ、と。
思ったわけです。

これから、「お葬式」多くなるのでは……
50過ぎて、60の声聞いて、やがて70……とか
いや、考えたくないけど
かつて、私たちに「結婚式ラッシュ」というものがあって
毎週、誰かの結婚式出てるよ、御祝儀、続いてたまんない、という感じだったと思うのですが、
やがて、「葬式ラッシュ」というものが、来るのかもしれない。

これ、かなり、コタエますよね。
次々、知り合いが死んで行く。

お葬式に出て、ひとりの部屋に帰ってくる。
この瞬間ってかなり落ちると思うんです。

お葬式に出て、誰かのいる家に、誰かが待つウチに帰って来る。
ずいぶん、楽だと思うんです。

現に、私は、お葬式から帰って来たら
ダンナさんは「近代絵画とレアリスム」を読んでいて
高一の娘は、今のこの学力で行くと、大学はどこへ行けるか? という判定表に首ったけになっていて、
人、それぞれだなあ、と感じ、救われました。
悲しみが充満しない。
ひとりだと、自分の世界で満ちてしまいますからね、家の中も。

人は各々、自分の時間を生きている動物なので
自分と違う考えの、心持ちの人がいるだけで、
ホッとするものです。

このときほど、結婚しておいてよかった、と思ったことはありません。

要するに、何が言いたいかというと
若い時とは、違った状況って押し寄せるんだ、ということ。
それで、ごく最近、私が気づいたのが「人の死」でした。

15歳の娘なんか見てると、そういうの視野に入ってないですもんね。
まあ、それが当たり前だし、それでいいと思うんだけど。

結婚でなくてもいいと思います。
家族がいれば。
あと、歳取ったら友達同士で住む、とか言ってる人とかもいるけれど、
それでももちろん、いいと思う。

お葬式のあと、ひとりの部屋に帰らなくてすめば、それでいい。

ただ、私は、一緒に住む女ともだちを見つけるよりも、
結婚する方が、ずっと楽だったんだと思います。

人といっしょに暮らす、
家に人がいる、というのは、
ある年齢になると
心のセーフティーネットなんですね。

友達、とか恋人、とかだと
わざわざ、出かけて会いに行かなくてはいけない。
「なぐさめてもらいに」行かなくてはいけない。

でも、一緒に暮らしていれば、
自分が落ち込んでいる時に
その自分と違う方向を見ている人たちを見るだけで、
ちょっと楽になれたりすると思うんですよね。

歳を重ねるとそういう側面もある、ということを、みなさんに言っておきたくなりました。
若い時って、そういうこと、知人の死、とか実感として、考えないからね、と思って。

で、それ、40代の恋愛とどういう関係が?
という話になると
それはまた、別の話で。
次回で。

ということで、次回まで続きます。
お楽しみに♪

Share

北川 悦吏子

脚本家。『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』などの数々の恋愛ドラマのヒット作を生む。活動は多岐に渡り、作詞やエッセイでも人気を集める。映画『新しい靴を買わなくちゃ』では、脚本とともに監督も担当。

関連するキーワード

関連記事

Latest Article

Instagram

自分らしく輝きたい女性のためのウェブマガジン「PPssPP」公式アカウントです。
ファッション、トラベル、ビューティー、グルメの
おすすめ記事をピックアップしています。

мужские куртки с подогревом

диспорт

http://protege.kiev.ua/poligrafiya/konverty.html