「イヤです」と言う力

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セクハラ事件にまつわる報道が後をたたない今。セクハラへの無理解や相手の気持ちを想像する力が欠如していることから、あちこちで被害を受け、つらい思いをしている人がいます。セクハラ被害をなくすため、セクハラ被害を受けないために、私たちが持っておくといい心構えや意識は――。

「イヤです」と言う力

いつの間にかアラフィフに近づき、女の嫉妬もセクハラも縁遠くなった毎日。

そんな私ですが、振り返ると、これまでいろいろな男性と仕事をしてきました。性別関係なく気持ちよく仕事ができた人もいますし、性別以前に人間としてどうかという人もいました。

異性同士ということで、それがよい方向に働いたこともありましたし、逆によくないことが起きたこともありました。

今回は自身の経験だけでなく見聞きしたことも踏まえ、女性に対していくつかアドバイスができればと思います。

■「イヤです」と伝える

ひとつめは、男性に意に沿わないことをされたら、きちんと断ることです。最近はセクハラという言葉が蔓延していますが、その基準となるポイントは「相手の意に反する性的言動」があったかどうか。

もちろん、ボディタッチやしつこいデートの誘いなど、「これがセクハラだ」と判断される落としどころは存在します。とはいえ「ただしイケメンに限る」ではないですが、相手によって、それがセクハラになるかどうかが変わるのが現実でしょう。

しかし、相手の男性は、あなたがどう感じているかなんてわかりません。したがって、それが「相手の意に反する」言動であることを知らしめるためには、「イヤです」という意思表示をすることが必要です。

こういうと、ネットでは「おまえは拒否の意思表示ができなかった被害者を責めているのか?」「なぜ加害者をかばうんだ?」なんて反応が来そうですが、もちろん、そういう意図はありません。

まだ被害に遭ってない人に向けて、予防する手段として提案しているのです。

イヤなとき、イヤと言えるスキル

勝間和代さんの『断る力』(文春新書)ではないですが、とっさのときに「イヤです」と断りの言葉を言えるよう準備しておくのに損はありません。例えば、このような単語を口に出してみてください。

「イヤです」
「そういうつもりはないので」
「お断りします」
「やめてください」


和を貴び、なるべく角をたてないようにという価値観が良しとされてきた日本では、これらの言葉に抵抗感を抱く人も多いでしょう。それでは、いざというときに口にできません。

「イヤです」と明確に言って、それでも繰り返したら「相手の意に反する性的言動」、つまりセクハラが確定します。それを伝えずに相手に繰り返し言わせていたら、あなたはその言動を受け入れていたのと同じことになってしまいます。

■セクハラと性犯罪は違う

ふたつめは、「セクハラ」とそうじゃないものをきちんと分けて認識し、対応した方がいいということです。例えば「性犯罪」はセクハラではありません。

性犯罪とは、いわゆる暴行や脅迫を伴うレイプなどの強制性交等罪や、酒に酔わせたり薬物を盛ったりして事に及ぶ準強制性交等罪のほか、強引にキスしたり身体を触ったりすることも強制わいせつ罪となります。

これらはハラスメントではなく犯罪です。したがって、セクハラであれば「上司や人事部に相談すべき」というルールになっている会社でも、警察に直接相談したとしても、なんら責められることはないと覚えておいていいでしょう。

■なんでもセクハラにしない

逆に、「相手の意に反する性的言動」ではないものをセクハラと呼ぶことは、決してすべきではないと思います。例えば、同僚や先輩社員が好意をもって接してくれたとき、自分にその気がないからといって即「セクハラ」呼ばわりするのは失礼なことです。

「先輩から何度も食事に誘われる」ことをセクハラだという人がいますが、個人的には違和感があります。ただのコミュニケーションかもしれませんし、好意を持ったり持たれたりすること自体は、私は悪いことではないと思うからです。

最近は、仕事絡みの異性には好意をもってはいけない、という風潮になっていますが、寂しいことだと思います。元NHKディレクターの吉成真由美さんは、ノーベル賞学者の利根川進さんへのインタビューがきっかけで結婚したそうです。そんな恋愛のスタートが悪のように言われるのは、行き過ぎではないでしょうか。

嫌ならまずは断ることです。何度断ってもしつこい、脅す、仕事上不利な状況に置かれたなどの証拠があれば、しかるべき人に相談しましょう。

セクハラを発生させない組織風土を作るためには、メンバーが性別関係なく、人間としてお互いを尊敬し合って働くことが必要です。自分が若い女性だからといって、男性をバカにしていれば、それも立派なハラスメントです。

「オバサン」がハラスメントで、「オジサン」はハラスメントではないなんてことはありません。相手が傷つけば、性別は関係ないのです。相手を尊重できなければ、自分も尊重してもらえません。

■若さに頼りすぎない

3つめは、セクハラや性犯罪に巻き込まれたくなかったら、「若い女」を売るような仕事の仕方をしないことです。こういうと「セクハラの被害者は本人に原因があったと言いたいのか!」と食いつく人がいるでしょうが、もちろんそんなことは言っていません。

しかし、若い女性が「この男性に可愛がってもらえたら、仕事も有利になるかもしれない」と考えながら接近しても、ろくな結末にならないのは目に見えているのです。

まず、本当に能力があるなら、わざわざそんなことをする必要はないはずです。そして、仮に工作がうまくいったところで、能力の足りないあなたを下心なしに男性が取り立てるわけがありません。必ず見返りを求められます。

残念ながら、若さという魅力は積み上げることができず、劣化していくものです。この先も長く仕事を続けるつもりなら、それに頼らないことです。または、人間的な魅力は一生積み上げることができるので、そちらの努力をおすすめしますよ。

がんばれ、働く女子!

Text/蜷川聡子

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蜷川 聡子

株式会社ジェイ・キャスト 執行役員。 1972年生まれ。商社系マーケティング会社を経て、2002年入社。2006年の「J-CASTニュース」創刊時には営業部長として、創成期のウェブメディアを支えるべく奮闘。現在は女性向け情...

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