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緊急避妊薬を知っていますか? 妊娠・中絶を望まない女性が選択できる手段

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緊急避妊薬は日本では2011年に「ノルレボ錠」が承認・販売開始されました。「モーニングアフターピル」「アフターピル」などとも呼ばれる緊急避妊薬。「中絶」という心身にダメージを負う出来事を回避できるこの薬について、オリーブレディースクリニック麻布十番の山中智哉院長に話を伺いながら、緊急避妊薬の存在意義を考えます。

緊急避妊薬を知っていますか? 妊娠・中絶を望まない女性が選択できる手段

避妊に失敗し、妊娠の可能性があるときに使用できる「緊急避妊薬」をご存知ですか。「モーニングアフターピル」「アフターピル」などとも呼ばれます。

日本では2011年に「レボノルゲストレル(商品名:ノルレボ錠0.75mg)」が、日本初の緊急避妊薬として承認・販売開始されるようになりました。

「中絶」という心も体もダメージを負う出来事を回避できるこの薬について、オリーブレディースクリニック麻布十番の山中智哉先生にお話を伺いました。

■緊急避妊薬とは

「緊急避妊薬は、妊娠の可能性のある性行為から72時間以内に服用することで、避妊の効果を発揮するものです。毎日飲む『低用量ピル』と異なり、一度飲むだけで避妊の効果を得ることができます」(山中医師、以下同)

仕組みとしては、体内のホルモンのバランスを変えることで、排卵を抑制したり着床を阻害したりすることができ、結果として妊娠しないと考えられているそうです。

「ノルレボが認可される2011年以前は、『ヤツペ法』と呼ばれる緊急避妊薬の服用が主流でしたが、これに比べノルレボは副作用が少なく、服用も1度で済むという利点があります」

緊急避妊薬とピルとの違い

「低用量ピルと同様にホルモン剤である以上、喫煙者には血栓症のリスクは考えられますが、一度の服用で作用させるため、そのリスクは低いものと考えます」

服用が可能な年齢に制限はありません。授乳中の場合は、母乳にホルモンが移行するため、服用後の母乳は飲ませてはいけません。

緊急避妊薬の副作用

山中医師の処方してきた範囲では基本的に、副作用は見られなかったといいます。吐き気や頭痛があったり、倦怠感を抱いたりするケースはあるといいます。

「稀に、服用後に吐いてしまった場合に、薬の効果が得られないのではと心配される方もいます。たとえ吐いてしまったとしても、服用後2時間ほど経っていれば、効果は得られると考えて良いでしょう。

ただ、どのような事態であれ、服用後の心配事があれば再度診察を受け、その後の対処法について医師の意見を聞くことをおすすめします」

■原則、対面診療ですが、ネット診察と処方を開始するクリニックも

現在、日本で販売されるこの薬を入手するためには、医師の診察を受けて処方してもらわなければなりません。産婦人科であれば必ず処方してもらえるとは限らないため、急ぐ場合は先に病院のWebサイトなどで確認すると良いでしょう。

自費診療となるため、金額は処方を受ける医療機関やクリニックにより異なります。山中先生のクリニックでも処方を受け付けていて、診察と薬の代金を合わせた費用は約2.5万円です。

先月、都内のあるクリニックが日本では未承認の緊急避妊薬について、オンラインでの診察と処方を開始することがニュースとなりました。

この薬への容易なアクセスは女性の権利であるとし、市販化を支持する声もネット上には見られます。こういった事態に対して山中医師は、「緊急避妊薬は原則、診察を受けてから処方されるべき」との見方を示します。

「妊娠を回避する手段があることは広く知られるべきと考えます。一方で、副作用が出ることがあること、また服用に失敗した場合に対峙する出来事の大きさから、市場販売が開始され、個人が診察なしに緊急避妊薬を手に取り、服用することに懸念を抱いています。

例えば、男性が婦人科外来に来て、『パートナーに内服させるから処方してほしい』と言っても、当然のことながら処方することはありません。

それが悪用されるのを想定しているわけではありませんが、薬局やネットで販売されるということは、購入した人以外の人が内服する、あるいは内服させられる可能性もあるということになります。

緊急避妊薬は、内服する方が『妊娠を希望しないという意志』を持って希望する薬なので、外来で処方する際も、早期に内服する方がいいという意味も含めて、その場でお水を渡して内服していただいています」

さらに山中医師は、医療機関の処方を受けていれば、万一、避けたかった妊娠という事態に直面した場合でも、その後の選択に対するサポートを適切なタイミングで受けられますと補足します。

■緊急避妊薬が存在する意義

山中医師によると、緊急避妊薬を年間に複数回服用する場合でも、身体に特別大きな負荷がかかることはないとのこと。ただし、妊娠を望まない中で避妊の手段を取れていない場合は、低用量ピルの服用を検討しても良いのではというご意見でした。

筆者は体質的に血栓リスクを指摘され、低用量ピルを服用することができません。こういった場合、脱落や破れの可能性のあるコンドームでは完璧な避妊は望めません。場合によっては緊急避妊薬が必要なシーンもあったかもしれません。

今回は「自分で選ぶ避妊方法」という視点から本稿をまとめましたが、緊急避妊薬は、万一性被害に遭ってしまった場合に妊娠のリスクを避ける手段にもなります。

こういった事態は誰の身にもふりかかってほしくはありませんが、レイプキットと合わせて、被害に遭った際に頼れるものとして、知っておくと良いのではないでしょうか。

■妊娠を望まない女性に向けた選択肢のひとつ

妊娠を望まない女性が「中絶」を回避できることは、何にも代えがたい効能です。緊急避妊薬はコンスタントな利用を想定して開発されたものではありませんが、コンドーム以外の避妊方法のひとつとして、もっと広く認知されても良いのではと筆者は考えます(ただし、性感染症の予防の観点からは、コンドームに代わるアイテムがないことは理解するべきです)。

筆者の周りでは、低用量ピルの認知は広まっているように感じますが、本稿で取り上げた緊急避妊薬や、IUD (子宮内避妊用具)といった避妊手段の認知はそれには及びません。

自分の望みを叶えるための選択肢は多いに越したことはないのに、避妊手段に関する情報は、それを検討する主体である女性にまだ十分に知れ渡っていないと個人的には感じます。

そもそもなぜ「緊急避妊薬」が存在するのでしょうか? それは「セックス」というひとつの行為が、非対称的に女性にだけ負担の生じる「妊娠」につながる可能性があるからです。

万一、その可能性が高まってしまったときでも、なるべく体に負担をかけずに選び取れる対策、それが緊急避妊薬です。筆者は、出産を望まない女性であっても、妊娠というリスクを避けながらセックスできることは生活の質を高めると考えます。

この記事が、読者の人生を楽しむ一助になればと思います。

Text/山浦雅香
取材協力/山中智哉(オリーブレディースクリニック麻布十番 院長)

画像/Shutterstock

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山浦 雅香

85年生まれのアラサー、6歳息子と夫と三人暮らし。就職後2年目の27歳で出産し退職、子育て専業2年間、再就職のち2018年からフリーランスというめまぐるしい人生。大学時代の1年間の北京留学経験を活かして、現在は翻訳やウェブで...

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