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夜用ナプキンが10分持たない。生理不順の症状は“予兆”だった――37歳女性の話

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長年の生理不順はどこの婦人科へ行っても「ホルモンバランス異常」と診断される。深刻に考えずに過ごしていたら、ある日生理が止まらなくなって……。病理検査の結果、子宮体がんと宣告され、子宮と卵巣の摘出手術を受けた37歳女性、エイミーさんの寄稿です。

夜用ナプキンが10分持たない。生理不順の症状は“予兆”だった――37歳女性の話

はじめまして。37歳、独身のエイミーと申します。2年半ほど前に子宮体がんを宣告されました。

現在は再発もしておらず元気に過ごしていますが、子宮も卵巣も摘出してしまったので、子どもを産むことができません。

幼少期から活発で病気知らずだった私が、まさか子宮ガンになるなんて……。

今回は病気に至った経緯や予兆などのお話をさせてください。この話を他人事だと思わないでほしいと思います。

というのも、女性とは切っても切れない「生理」に絡む内容だからです。

■生理が軽かった私が、年に一度、大量出血するように

もともと生理不順だった私は、15歳くらいの頃から、半年に一度ほど婦人科に通っていました。

症状としては、生理の周期がバラバラ、生理が止まらない、何カ月も生理が来ないなど。病院では毎回「ホルモンバランス異常」と診断され、ホルモン剤や止血剤などを処方されていました。

ときどき子宮頸がんの検診もしていましたが、とくに問題がなかったこと、お薬を飲むと治っていたことから、あまり深刻には考えていませんでした。

生理自体もとても軽く、少量の出血が2週間ほどあるだけで、生理痛とも無縁。そんな私ですが、大学生の頃からだんだんと様子が変わっていたのでした。

生理自体も2カ月に一度来たり、半年くらい来なかったり、だらだら出血が続いたり……周期なんてないような状態でしたが、1年に一度くらいの頻度で、生理期間中に大量出血する ようになったのです。

もともと出血は少量だったので、「みんなの生理2日目ってこんな感じなのかな。こんなに辛いのか」と驚きました。それでも大量出血は年に一度。

■診断はいつでも「ホルモンバランス異常」

大量出血の原因も、もともと生理の出血が少なすぎるから、たまにはこんなときもあるんだろうなと、勝手に判断していました。

このあたりから、先の症状に加え、茶褐色のおりものも出るようになりました。しかしながら、長年の生理不順によって、感覚が麻痺していたのでしょう。茶褐色のおりものも生理か不正出血だろうと思い込んでいたのです。

慣れとは本当に怖いものです。このくらいの時期から病気の症状が少しずつ出ていたのかな、と今は思います。

病気が発覚するまでの間、この症状の繰り返しでした。病院での診断も相変わらずホルモンバランス異常。病院も転々としていました。どこに行っても診断はホルモンバランス異常。

基本的には同じ症状の繰り返しでも、年々少しずつ内容が変わっていくようになりました。
1年に一度だった大量出血が年に何度も来るようになったり、セックスするとときどき出血するようになったり。

■34歳夏、経血が止まらなくなった日

そして、34歳の夏。

生理が止まらなくなり、だんだん出血量も増え、レバーのような血の塊が出るようになりました。最終的には夜用のナプキンが10分も持たないような状態に。

血の塊がボコボコと剥がれ落ちるので、会社のトイレから出られなくなり、気づくと痛みと貧血で倒れていました。

倒れた翌日、紹介された大きな病院へ行きました。

私の子宮を見て先生が何度も私に質問をしてきました。「エイミーさん、妊娠していますか?」と3回も確認されました。

通常であれば、生理で定期的に内膜は剥がれ落ちるはずですが、私は長年の生理不順から内膜がかなり分厚くなっていたようです。

そのあと器具を使って子宮内膜の細胞を切り取り、病理検査(※)に出すという流れでしたが、あまりの痛みに失神してしまいました。

※病理検査:患者から採取した臓器や組織、細胞などを顕微鏡で観察し、癌などのさまざまな病気の診断や病態評価を行う検査のこと

気づくと点滴がつけられ、ベッドに運ばれていて、この日からCTやMRIなど検査の日々が続きました。

切り取った細胞の病理検査結果は子宮内膜増殖症でしたが、この診断を「確定」とすることはできないんです。

なぜかというと、子宮の一部からしか細胞を取っていないため、その部分に癌がなければ、ほかの部分がすべて癌に侵されていたとしても、癌ではないということになってしまうから。

■子宮内膜をすべて掻き出して検査を

今まで定期的に婦人科に行っていましたが、エコーではわからないし、子宮頸がんや子宮体がんの検査で細胞を取ったとしても、一部の組織しか調べられません。だから、よほど進行していない限り、病気を見つけるのは難しいことなのでしょう。

その後、診断を確定させるために、子宮の内膜をすべて掻き出して検査する子宮内膜掻爬(そうは)の手術をすることになりました。

これで子宮の内膜をすべて、病理検査に出すことができるのです。

手術のおかげで出血も止まり、心底ホッとしましたが、ここから病理検査結果を待つ不安な日々を過ごすことになりました。

そしてついに宣告の日です。

「エイミーさん、おひとりですか? ご家族や付き添いの方はいませんか?」

未だに先生の第一声が忘れられません。

あぁ、本当にドラマのセリフみたいなこと言われるんだな……。付き添いの確認をするなんて、私やっぱりがんなのね……。

「検査の結果、子宮体がんでした。開腹で子宮と卵巣の摘出・リンパ節郭清の手術が必要です」

■子宮体がんを宣告されて

ショック過ぎて、先生の言葉が耳に入ってこなくなりました。彼氏とも別れたばかりで、癌になって、子どもも産めなくなって……。これからどうしよう?

感傷に浸りたいところですが、冷静な自分もしっかり存在していました。

子どもを産めないことは受け入れるとしても、結婚前の身体に傷跡が残ってしまうなんて……。それだけは絶対に避けたい。

後悔の残る選択はしたくない。その一心で、検査結果が出るまでの間、自分の病気についてとことん調べました。

セカンドオピニオンをして、子宮がんの腹腔鏡手術を日本一している先生にお願いすることにしました。

子宮と卵巣の摘出術には開腹と腹腔鏡(内視鏡)がありますが、未だ賛否両論です。きちんと調べて、自分に合った術式を選ぶことが大切だと思います。

■なにより辛かった抗がん剤治療

手術は無事成功しましたが、摘出した卵巣に少し転移していたため、予防の観点から抗がん剤治療もしました。

がんの宣告より抗がん剤治療をすると言われたときの方が、ショックが大きかったかもしれません。

昔から美容やファッションが大好きだったので、女の命とも言われる髪が抜けてしまうなんて耐えがたい苦痛でした。

長い間ウィッグ生活を送りましたが、今は地毛も伸びてきたので、シールエクステをつけてロングヘアをキープしています。

個人的には、抗がん剤治療は辛すぎて、あまり記憶がありません。でも、良かったこともあります。
人生でこんなに辛いことはあまりないので、何が起きてもたいてい耐えられる気がします(笑)。

もう少しで手術から3年が経ちます。現在は3カ月に一度の定期健診をして経過を観察しています。今のところ再発もしていません。

普通の生活を送れていますが、恋愛においてはリハビリが必要です。病気になって子どもが産めなくなったことで、恋愛に対してとても臆病になっています。

誰かと出会って、好きになって、その人に子どもを産めないことやがんになった話をしなければならないのかと思うと憂鬱になります。私の唯一ネガティブな部分かもしれません。

■生理がおかしい。気になったら自己判断しないで

これを読んでくれている方に伝えたいことはひとつ。

身体に少しでも異変があるなら、それはサインだから絶対に見逃さないでほしい。

私自身もたくさんのサインがありました。もっと深刻に捉えていれば、違った未来があったはず。

婦人科の診察台に乗るの嫌ですよね。わかります。診察器具を入れられるの痛くて怖いですよね。わかります。

でも、一時の恐怖や痛みに負けて病院へ行かなかったら。「ただの生理不順だろう。ホルモンバランスの崩れだろう」と自己判断して、放っていたら。

いつか子どもが欲しいと思っていても、病気が理由で子どもを産めなくなるかもしれない。
深刻な場合、死に至るかもしれない。


脅しのように聞こえるかもしれませんが、私と同じような思いをしてほしくないんです。

健康を当たり前だと思わず、日々の身体の変化には十分注意してほしいです。

生理はそれを知る、大きな手がかりになる。
そのことを忘れないでください。

Text/エイミー
https://ameblo.jp/glanz18/

■産婦人科医の言葉

「若くして子宮体がんを発症し、ここまでの治療に大変な思いをされてきたことと思いますが、ご自身のこれまでの状況をよく把握されていると思います。

10代、20代前半の頃の不正出血は、子宮体がんとは関係のないものであったと思います。
しかし、20代後半以降に、子宮内膜増殖症を発症していた可能性はあります。

その時点で発見できていれば、内膜掻爬+ホルモン療法で治った可能性もあります。

典型的には、エコー検査で子宮内膜の厚さが15ミリ以上あると、子宮内膜増殖症を疑います。

通常、細胞診だけでは確定できないため、組織診も行いますが、どこか早い時期に行なわれていればと考えます(外来でも組織診はできるからです)。

大量の出血が起き始めた時点では、内膜の増殖と共に子宮筋層への浸潤が進み、子宮が腫大している状態だったかと推測します。

不正出血があっても、ホルモンバランスの異常で済まされる場合もあります。ただ、不妊治療という、がんとは異なる領域で仕事をしていても、不正出血の患者さんの中にはがんが原因の方もいる可能性は念頭においています。

20代、30代の女性の子宮頸がんが増えてきているという報告もあります。子宮体がんと同様、不正出血がその症状のひとつなので、若くても早めに病院を受診し、がん健診を受けることが大切です」

医療監修/山中智哉(オリーブレディースクリニック麻布十番院長)

画像/Shutterstock

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DRESS編集部

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